あらすじ

李澈は日本留学第一日目に、金儲けのために空港に出迎えに来ていた、美人でやんちゃで奔放な女の子、藍扣子に出会いました。ところが、藍扣子は李澈を一目見るなりすぐ、跳びかからんばかりの調子で言いました。「 ぐにここから消えて頂戴、“泣き黒子”同士が一緒にいると、ひどい目に会います!!」  言い終わるとすぐ、李澈を空港バスまで連れて行ってさっさと立ち去ってしまいました。

李澈は継父の遺産を受け継いだので生活に困ることはありませんでした。その上、留学仲介業者は画家の娘、杏奈に中国語を教えるという仕事を紹介してくれていました。育ちの良い李奈は李澈に一目惚れをしてしまいました。 しかし、“泣き黒子の運命“のいたずらか、藍扣子は、いつの間にか李澈の生活に入り込み、李澈の生活を変えてしまうことになります。

ある時、李澈と杏奈はレストランでアルバイトをしていて、無礼な客に絡まれている藍扣子にバッタリ会いました。藍扣子は機転をきかして危機をのがれましたが、レストランを出たところで何人かの借金を取り立てる人達に取り囲まれました。彼女はとっさに稼いだ金を李澈の手に押し込みました。しかし、借金取り達が力ずくで金を返せと彼女に迫ったのを見て、李澈は彼らに近づいて、彼女の稼いだ金を渡してしまいました。彼女はカンカンになって怒り、李澈に「この馬鹿!」と罵りました。李澈は深く恥じ入って、彼女を探し出して自分の金で彼女に償いたいと思いました。

李澈がどうしたら藍和子を探し出せるか困っていた矢先に同室の友人が電話で‘女’を呼びましたがぎりぎりになって窓から逃げ出してしまい、李激に相手をさせました。李激にとって思いがけなかったのは部屋に入って来たのはなんと藍扣子だったのです。李澈は彼女の住まいまですっと後をつけました。そして一味の手下たちがすでに彼女の住まいを探し出していた事を知りました。藍扣子はならず者達が出て行くのをずっと待っていました。やっと帰っていて、やっと帰って行きました。部屋の中は一面にめちゃくちゃになっていました。李澈はこの子のこの境遇に同情を禁じえず持っている金を全部、門の戸の隙間にはさんでおきました。

李澈はこの明らかに厄介な女の子が気になりはじめました。彼は夏さんのところに行って藍扣子の身の上を聞きました、そして、彼女の母は十数年前にもう既に日本に来たこと、夏さんはかって同級生だったこと、藍和子はもともと北京のある雑技団の団員で団と共に東京に公演に来た時に母を捜そうとして帰りの飛行機に乗り遅れてしまったこと、などを知りました。 李激と杏奈がある喫茶店に居るとき、偶然、夏さんと、家主に追い出されてトランクを持った藍扣子とに出くわしました。李澈を見つけて夏さんは喜び、藍扣子をまずは彼の学生寮においてくれと頼みました。このとき、夏さんの奥さんとその弟が飛び込んで来て、「母親と同じように夏さんを引きずり込んだな」とののしりました、藍扣子は小冷蔵庫をその弟に投げつけ、そして李澈と一緒に学生寮に付いて行きました。李激がシャワーを浴びて出てくると、彼女はトランクを残してひっそりと立ち去っていました。

上品な筱常月が学生寮に来て、阿部さんと李澈に病院に行って夫の山本さんの付き添いをしてくれるように頼みました。山本さんは李激に‘蝶々夫人’を舞曲に作り変えて日本で上演すること、そして筱常月を‘蝶々夫人’として演じさせることを自分が死ぬ前にやってくれと頼みました。藍扣子の母親が東京に帰ってきました。夏さんは藍拍子がずっと日本で母を捜していることを話しました。母親は夏さんに母親はとっくに死んでいる!と彼女に言ってくれるように言いました。もともと藍扣子の母の暮らしは惨めなものでした。生きていくため、そして身分証を取るために、田舎の酒飲みと結婚して二人の息子を産んでいました。夫の母とその酒飲みとの虐待に耐えかねて隙をみつけては東京に逃げてきて働いていたのです。李澈はこの事を聞いて藍扣子の母を訪ねました。しかし母は娘と会うことは断り、それでも一目だけでも娘を見たいから、その段取りをつけてほしいと哀願しました。

李澈は帰る家も無い藍扣子をあちこち捜しまわりました。しかし藍扣子は勝手気ままにあちらこちら遊びまわっていました。李澈がゲームセンターでゲームを楽しんでいる藍扣子を尋ねあてた時、ならず者たちが現れたが、藍相子は危機一髪のところで逃げてしまいまいました。 李澈は捜し続けました。東京のある中国料理店で無理矢理ここに連れてこられていた藍扣子を捜し当てたところ、彼女はあっというまにいなくなりました。ちょうど彼ががっかりしていた時に藍扣子が辺都な山間部にあるテーマパークで一緒に遊ぼうと電話をかけてきました。李澈を怖がらせて顔が引きつるのをみて二人で大笑いしました。李澈にどこに住んでいるのか、どんなトラブルに巻き込まれているのか、を問い詰められると藍拍子は大声でさえぎり身を翻して居なくなりました。 李激は終夜映画館で藍扣子を見つけ出し、いそいで母親に知らせました。藍扣子の母は椅子の上で夜を過ごしている藍扣子を見て、はげしく泣きながら立ち去りました。

藍扣子は高熱が続いて下がらなくなって、やっとよろよろと李澈の部屋のまえにたどりついて気を失ってしまいました。李激の心をこめた介抱により彼女はすっかり良くなりました。李澈は自分の彼女への愛を告白しました。学生寮では住むところでないので藍和子は李澈に婚礼衣装店の守衛の仕事を探して来たので、やっと彼等の住むところは解決しました。二人はこの店で同居しました。望月老人の庇護のもと彼らは忘れ難い幸せな時を過ごしたのでした。

李澈が改編した“蝶々夫人”の創作は完成間近になりました。筱常月は彼らに北海道に来るように頼みました。筱常月は彼らを引き止めて李澈を札幌大学に留学させようとしました。しかし、藍扣子は新しいことは全て抵抗しました。李澈を失うことを怖れて、絶えずわめいて李激を苦しめました。この時、藍扣子自分が妊娠していることがわかったのです。東京に戻って李激と藍扣子は中国人の集まりに出ました。そこで借金取取りに捕まって殴ったり蹴られたりされながら、藍扣子はやっと自分の出会った悲惨な出来事を李澈に話しました。

ふたりは愛の結晶が出来て李澈は藍扣子と生まれてくる子供のために、3つめアルバイトをしました。李澈が藍扣子と空のビール瓶を運んだ時なんと事故が起こりました。子供はだめになりました。入院中に古い抗生物質を注射されて耳が聞こえなくなってしまいました。李澈は藍扣子をつれてその病院に行きましたが病院は閉鎖されていました。しかしながら藍扣子は身分証がないので補償の請求は出来ませんでした。 藍扣子は発狂しました。あらゆる方法で自分を傷めつけ李澈を苦しめました。たびたび家を飛び出して、李澈はその都度連れ戻しました。度々自殺を図り、その度に自殺を止めました。李澈は疲れ果てました。藍扣子に自分が愛している事を信じさせる為に李激は札幌大学から来た入学通知を引きちぎって破ってしまいました。藍扣子はて大人しくなって通知を一つ一つ張り合わせました。そして、李澈と上手く暮らせるように、ロの動きで言葉が解る練習を始めました。

筱常月が電話をかけて来て彼らに北海道に来て“蝶々夫人“の上演を見るようにと言ってきました。筱常月は異常なまでに落ち着いていて、整然と上演の準備をしていました、そして上演のその日、筱常月は蝶々夫人の最後の一幕を飾ってなんと本当に自殺したのです。
は山本先生のかたわらに葬られました。彼女が残した遺書には季激のたさめに彼等が北海道での生活がすべてうまくいくように手筈を整えたとありました。藍扣子は李激と一緒に札幌大学に行き手続きをとりました、李澈ために農場の新しい住まいを手配しました、藍扣子は楽しそうに李澈のためにすべてをきちんとだんどりしました。

ある日の朝、李澈は突然、藍扣子が居なくなったことに気づきました。彼女は一通の手紙を残しました。それには、私を探さないで下さい。私は家に帰ります、掃ってお母さんを待ちます。・・・・・ とありました。 李澈は駆け巡りました。しかし何の手がかりも得られませんでした。狂ったようになって到る所を探しました、関西空港もうろつきました。東京に飛んで彼らがかって一緒に過ごしたところを駆け巡りました。しかし、何の手がかりも得られませんでした。   ある日、東京警視庁から、彼の携帯電話に「出頭して下さい」との連絡がありました。李澈が到着して見る事の出来なのはただ藍扣子の遺品だけでした。交通事故が彼女の若い命を奪い去っていたのです。